保守主義と自由主義

保守主義と自由主義

アメリカの保守主義を考察

イギリスとはまた違った発展をしたアメリカの保守主義

次に紹介するのはアメリカの保守主義についてだが、こちらに関しては物申すという人が出てきてもおかしくないかもしれない。というのも、本来ならアメリカはかつてイギリスの植民地としてその時代を築き上げたものとなっている、その後独立を果たすことになったものの考え方や思想、そして宗教そのものはイギリスから伝え聞いていたものであることに他ならなかった。先住民たちこそ確かにいたが、アメリカの時代を作り出したのは間違いなく新大陸開拓を目的としたイギリス人たちであることに代わりはない。

しかしそれはあくまで歴史上における過程でしかない。アメリカはその後世界の超大国としてその名を知らしめるようになるほど発達を遂げることになったが、そうした中でアメリカ大陸独自の考え方も普及するようになる。その中の一例として保守主義を取り上げてみると、アメリカでは保守主義とはいくつかの普遍的なものであると定義することにした。その定義としては、

伝統の重視

共和主義の支持

法とキリスト教の信仰の規範、
及び現代主義文化と全体主義政府に対抗する西洋文明の防衛

とした考え方を持ってして、アメリカ独自の保守主義としての形を導き出すことに成功した。この中でも特に3つ目は何より印象的だ、法とキリスト教に対する信仰はそのままにしながらも、それとは別にして西洋文明に対抗する防衛という意味を持って考えられる事は、やはりアメリカにはアメリカならではの考え方を持ってして運用して行く事が望ましいと考えられたということだ。この時、イギリスから移民してきた人々は何を思っていたのかという点について知ることは難しいかもしれないが、ただ1ついえることとしては、それまでにない新しい国を作り出そうとする動きが強かったということは間違いなさそうだ。

こうして出来たアメリカという国でも発達した保守主義という考え方についてだが、アメリカにおける保守主義とは常に競合する思想との間に緊張関係を持っていることも特徴だった。具体的にどんなことと緊張関係にあったのか、そこのところに焦点を絞って話を進めていこう。

アメリカにおける保守主義という形

アメリカという国がどれ程広大な土地なのかは理解しているだろう、そしてそんな大量の人々が存在している中で保守主義という考え方を持っている人間は数ほど存在している。ではこの国における保守主義とは一体どのような考えを持っている人が多いのかについて少し説明していこう。まず最初に大まかに区分すると、『経済的保守主義』と『社会的保守主義者』、また『新保守主義者』に『超保守主義者』という4つの分類に分けることが出来る。保守主義と一言で言っても実は同じ思想でありながら考えを別のモノとする政治を目指しているというのだ。こうしてみると非常に面倒な仕組みをしているなと感じるところだが、それもまたアメリカという国の特殊なところかもしれない。

ではこれらの主義者について簡単に説明していこう。

経済的保守主義者とは
まず最初に経済的保守主義者についてだが、この主義者の基本的思想として市民を中心とした自治体運営を目的としており、代表的なのは公的な政府を介さない民間を基準とした小さな政府の存在、また低い税率や少ない規制、それに伴う自由な事業運営をすることを目的として活動している人々の事を指している。
社会的保守主義者とは
一方で社会的保守主義者とは、伝統的な社会価値観を世俗主義の脅威から専守防衛し、それらを見越して学校などの教育機関で礼拝を支持する傍ら、最近度々話題になっている同姓婚の合法化などに対して反対の意志を示している人々のことを指している。
新保守主義者とは
そして最近何かと話題になっている新保守主義者という存在についてはかなりの曲者、という風に表現することが出来る。どういうことかというと、簡単に言うならアメリカが最も理想とする世界を広げること、さらにイスラエルに対して強力な支援を望んでいるとする過激派とも取れるような集団となっている。
超保守主義者とは
そして4つ目の超保守主義者というものについてだが、こちらも新保守主義同様に少しばかり過激な行動をとりかねない思想を持っている人々が集まっている事が特徴かもしれない。そんな超保守主義者が目指す思想としては、多文化主義の反対、また移民を規制するなどしたものとなっている。

現代における保守主義の形

こうした歴史を持つアメリカだが、現在までに保守主義とする考え方を持っている人がどれほどいるかについて考えてみると、意外なことに保守主義とする考え方は全体の4割ほどとなっており、その他は中庸、もしくはリベラル的な思想を持っているとされている。そしてこの数字は現在までも横ばい状態が継続しているのも特徴的となっており、全てのアメリカ人が一部の保守主義のような過激な考え方を持っているわけではないということだ。

ただこうした考え方の中でも特に現代における保守主義としての考え方の中には空恐ろしくなるようなことを考えている面もある。内容として、

世界政府への反対

環境問題の重要性と妥当性に対する懐疑

問題解決を政府に頼るばかりではなく、自律的に考える事の重要性

イスラエルという中東最大の同盟国の支持

などがある。こうした施策への反対を示す意図としては、それまでアメリカがしてきた事は決して間違っていなかったということを意味し、そしてこれまでもアメリカは世界の中心に立ち続ける事を目的とする考え方を認めようとする動きが強いことを意味しているに他ならない。ここでその考えについて正否を問う事はしない、しかし実際にアメリカにおいても保守主義というものがアメリカ社会において重要な基盤を形成していた事は間違いなく事実となっており、アメリカの歴史においても重要な役割を担っていことを忘れてはいけない。